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多元計算解剖学、第4回サマーワークショップに参加、発表

「多元計算解剖学」第4回サマーワークショップ(7月14、15日、神戸市)に参加しました。新学術領域研究「医用画像に基づく計算解剖学の多元化と高度知能化診断・治療への展開」研究班のmeetingです。今年度最終年になりました。

九州シンクロトロン光研究センターに行きました

佐賀県立九州シンクロトロン光研究センターに行きました。(2018.0612

位相CT撮像データからイメージ作成を行う手法を共同研究者の米山先生から習いました。

先天研開設40周年記念号がAnat Recから発刊

先天研開設40周年記念号がAnatomical Recに掲載されました。

先天研開設40周年記念号;ヒト胚子・胎児研究についての総説 Anat Rec 2018, 301,960-969 (クリックで拡大されます)

クララさんがフランスから来られました。

4/2から約3ヶ月間クララ−ムネスコさんがフランスのモンテペリエから胚子研究に来られました。胚子期の顔面形成について解析をする予定です。

金橋君が日本先天異常学会奨励賞を受賞しました

金橋君が2018年度日本先天異常学会奨励賞を受賞しました。おめでとうございます。

Kanahashi T, Yamada S, Tanaka M, Hirose A, Uwabe C, Kose K, Yoneyama A, Takeda T, Takakuwa T, A novel strategy to reveal the latent abnormalities in human embryonic stages from a large embryo collection, Anatomical Record, 299,8-24,2016  10.1002/ar.23281(概要), *299(1),2016の表紙に採用されました。DOI: 10.1002/ar.23206 (cover page)


石川さんの論文がAnat Recに掲載

石川さんの論文がAnatmial Recordに掲載されました。

内耳のうち膜迷路、骨迷路の間にあるperiotic spaceの形成に着眼したユニークな論文です。図が表紙に採用されました!!

  • 膜迷路は、CS23のサンプルで判別可能
  • CRL 14.4–197 mmの観察期間中に長さは8 倍以上に直線的に成長
  • periotic spaceは、CRL35 mm の標本で蝸牛の前庭と基底部周囲で最初に検出
  • 115 mm CRL で膜迷路をほぼ覆う。
  • タイムテーブルに従って、膜迷路、periotic space、otic capsuleの骨化が連続して発生

32. Ishikawa A, Ohtsuki S, Yamada S, Uwabe C, Imai H, Matsuda T, Takakuwa T. Formation of the periotic space during the early fetal period in humans, Anat Rec, 2018, 301(4);563-570, 10.1002/ar.23764, 10.1002/ar.23657

Abstract

The inner ear is a very complicated structure, composed of a bony labyrinth (otic capsule; OC), membranous labyrinth, with a space between them, named the periotic labyrinth or periotic space. We investigated how periotic tissue fluid spaces covered the membranous labyrinth three-dimensionally, leading to formation of the periotic labyrinth encapsulated in the OC during human fetal development. Digital data sets from magnetic resonance images and phase-contrast X-ray tomography images of 24 inner ear organs from 24 human fetuses from the Kyoto Collection (fetuses in trimesters 1 and 2; crown—rump length: 14.4–197 mm) were analyzed. The membranous labyrinth was morphologically differentiated in samples at the end of the embryonic period (Carnegie stage 23), and had grown linearly to more than eight times in size during the observation period. The periotic space was first detected at the 35-mm samples, around the vestibule and basal turn of the cochlea, which elongated rapidly to the tip of the cochlea and semicircular ducts, successively, and almost covered the membranous labyrinth at the 115-mm CRL stage or later. In those samples, several ossification centers were detected around the space. This article thus demonstrated that formation of the membranous labyrinth, periotic space (labyrinth), and ossification of the OC occurs successively, according to an intricate timetable.

多元計算解剖学第4回国際シンポジウムで発表

赤門前, 共同研究者;松林先生、藤井さん

多元計算解剖学第4回国際シンポジウム(The 4th International Symposium on Multidisciplinary Computational Anatomy)で発表しました。(3/2-2/3, 東京大学)

A02-KB107 Analysis of Central Nervous System and Skeletal System During Human Early-fetal Period Based on Multidisciplinary Computational Anatomy -Progress Overview FY 2017- (PI:Tetsuya Takakuwa)

2017年度; 修士論文発表会が行われました

2017年度; 修士論文発表会が行われました(2018.0207; 杉浦ホール)

ヒト胚子期における腎盂形成の三次元的解析 石山 華

【背景】腎盂の発生はCarnegie Stage(CS)14頃に始まる。この発生過程については、組織切片を用いた平面的な研究が主であり、CSに沿った報告としてShikinamiの報告がある。
【対象と方法】京都大学大学院医学研究科附属先天異常標本解析センター所有のヒト胚子標本の連続組織切片計50個体(CS14~23)をバーチャルスライド化したものを用いて得られた立体情報を対象とした。用いた標本は全て明らかな外表奇形、腎臓の異常を伴っていない。CS分類に従った分化・成長について、1)形態学的検討、2)尿路上皮の組織学的検討、3)定量的検討、の三点について検討した。さらにCS23において確認された腎盤の拡張についての検討や腎盂樹状構造における枝の偏りについての検討を行った。
【結果】A)CS14-CS23間の分化・成長
1)形態学的検討:CS14で尿管芽の周りに造後腎芽体が発生した。その後腎盂の頭側は側方方向へ伸長していったが、CS19から腎盂頭側は正中方向へ伸長した。
2) 組織学的検討:腎盂上皮は、円柱状で核は重層状だった。腎盤部では、CS14、15では核は基底膜側に偏り、CS18以降では核は管腔側に偏っていた。腎杯部では、CS19では核の偏りがなかったが、CS20以降では核は管腔側に偏っていた。
3) 定量的検討:CSの進行に従って、最大分岐次数、腎臓の頭尾長、腎臓総体積、腎盂体積が大きくなっていた。最大分岐次数は12まで見られた。また、腎臓総体積、腎盂体積はCS22から23にかけて急激に大きくなり、CS23では個体差が大きかった。
B)CS23における腎盤の拡張についての検討
1)形態学的検討:CS23で非拡張群は6例、拡張群は4例見られた。拡張群では分岐次数が低い腎盂の拡張が見られたが、非拡張群では拡張がなかった。
2) 組織学的検討:腎盤部、腎杯部ともに、非拡張群では腎盂上皮は円柱状で核は重層状だったが、拡張群では上皮は立方状で核は不規則な単層だった。
3) 定量的検討:腎盂体積、腎臓総体積、腎実質体積、腎臓総体積に対する腎盂体積の比率の4点では拡張群のほうが非拡張群より大きく、腎臓総体積に対する腎実質体積の比率では非拡張群のほうが拡張群より大きく、いずれもで非拡張群と拡張群について有意な差が認められた。腎臓頭尾長、最大分岐次数では拡張群のほうが非拡張群より大きかったが、非拡張群と拡張群で統計学的に有意な差が認められなかった。
C)腎盂樹状構造における枝の偏りについての検討:上極部、下極部と中央部の末端分岐次数(これ以上分岐していない腎盂の分岐次数)は上極部、下極部のほうが中央部より大きく、統計学的に有意な差があることが確認できた。
【結論】 本研究では、ヒト胚子期で正常と判断された個体の連続組織切片のバーチャルスライド画像を用いて腎臓・腎盂の立体像を作製し、CSの進行に従った腎盂の形態学的、組織学的、定量的検討について明らかにした。特に、太い腎盤部の拡張がCS23で顕著に認められ、拡張によって腎盂上皮の組織像が大きく変化していた。また、腎盂の二又分岐が12回みられたことから、胚子期において腎盂樹状構造の基本構造がほぼ形成されるということが明らかになった

37. Ishiyama H, Ishikawa A, Imai H, Matsuda T, Yoneyama A, Yamada S, Takakuwa T. Spatial relationship between the metanephros and adjacent organs according to the Carnegie stage of development. Anat Rec (Hoboken) 2019. 302, 1887-2104. DOI: 10.1002/ar.24103

34. Ishiyama H, Ishikawa A, Kitazawa H, Fujii S, Matsubayashi J, Yamada S, Takakuwa T, Branching morphogenesis of the urinary collecting system in the human embryonic metanephros, PLoS One 13(9): e0203623. doi: 10.1371/journal.pone.0203623