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日本科学未来館にヒト胚子立体像が常設展示

未来館

3/20から開設された日本科学未来館(東京都江東区)「生命」コーナーにヒト胚子立体像が常設されました(5年間の予定)上記展示に監修者として、協力しました。

新規展示、「細胞たち研究開発中」では、iPS細胞の発見にはじまった細胞生物学から、発生、再生医療、といった新たな研究の流れを魅力的に紹介しています。
「オピニオン・バンク」では、来場者の意見・感想を積極的に現場に還元するとりくみです。

 

基盤(S)のmeetingに参加

スクリーンショット 2015-03-17 08.05.02

次年度から分担研究者として参加する基盤研究(S)ヒト脳の形態形成から行動生成に至る発達のダイナミクスの研究会議に参加しました。分野の異なる先生の集まりで、なかなか面白い会議でした。

高石くんが優秀演題賞に選出 (28th日本軟骨代謝学会)

28回軟骨「Episcopic fluorescence image captureを用いたラット膝関節腔発生の三次元的解析」高石 亮太、青山 朋樹、張 項凱、樋口 真也、山田 重人、高桑 徹也

(第28回日本軟骨代謝学会 (H27.3.6-7)、東京)が優秀演題賞に選出されました。当日は、質疑応答も含め、立派な出来栄えでした。おめでとうございます。

ヒト胚子透過立体回転画像が知的財産に登録…

200908040753036c7

ヒト胚子透過立体回転画像が知的財産に登録されました。おもにMRIで撮像されたCS13-23の胚子を、コンピュータを用いて立体化したものです。一部は日本科学未来館で展示される予定です。

修士論文審査が行われました

ueno

ozeki

修士論文審査が行われました。落ち着いてわかりやすく発表でき、良かったと思います。諮問も問題なく終了です。

 

 

2014年度;修士論文の概要 (尾関)

ヒト聴覚器の各発生段階の形態学的解析

CS22聴覚器
CS22 聴覚器立体像

背景:ヒトの聴覚器は、内耳、中耳、外耳に分けられる.その発生過程については、これまで組織切片を用いた観察が主体であり、立体像を用いた解析は膜迷路でしか行われていない.また、現在ヒト発生学での発生段階の指標として用いられているカーネギーステージ(Carnegie Stage(CS))分類の提唱以前に行われているものが多いため、CSに沿った報告が少ない.

目的:ヒト胚子の連続組織切片を用いて立体像を作成し、胚子期における内耳、中耳、外耳それぞれの各CSにおける形態的特徴と、相互の位置関係を明らかにする.

対象・方法:京都大学大学院医学研究科附属先天異常標本解析センターに保存されている外表の状態から正常と判断され、かつ、保存状態が良好なヒト胚子の連続組織切片17個体(聴覚器33例)を用いて聴覚器の立体像を作成し,CSごとに発生過程の観察を行った.

結果:①内耳 半規管:CS18(4個体、聴覚器8例)では、3例で半規管が全く形成されておらず、1例で後半器官のみ、1例で前半規管のみ、3例で前半規管と後半規管の2つが形成されていたが、CS19以降の個体では全例で3つ全ての半規管が観察された.蝸牛管:CS18(4個体、8例)では、6例で蝸牛管の回転は観察されず、2例で回転方向(上向き)に曲がりL字型になっていた.その後徐々に回転が進み、CS19(3個体、6例)の2例で半回転、CS20(2個体、4例)の全例で1回転、CS21(4個体、8例)の2例とCS22(3個体、5例)の全例で1回転半、CS23(1個体、2例)の全例で2回転していた.卵形嚢と球形嚢:CS22(3個体、5例)の3例とCS23(1個体、2例)の全例で球形嚢と卵形嚢を明確に区別することが可能であった.②中耳 耳小骨:アブミ骨はCS18(4個体、8例)の2例ですでに輪の形が形成されていたが、CS23までの全例でアブミ骨底が観察されなかった.ツチ骨とキヌタ骨は、CS19(3個体、6例)の4例で原基が観察でき、CS23までに成人のものとほぼ同様の形態がつくられていた.また,キヌタ・ツチ間の関節面はCS19(3個体、6例)の2例で接しており、キヌタ・アブミ間の関節面はCS21(4個体、8例)の7例で接していた.耳管:耳管は全CSの全例で正面から観察すると平たく、側面から観察すると、耳介へ向かって広がる裂隙状であった.③外耳 外表形態:Streeter G. L.による耳介の形態分類を参考に分類を行ったところ、時系列に沿った形態が観察されたが、左右で形態に差をもつ個体が6個体存在した.④相互関係 耳小骨と内耳:側面から観察した際、CS20までは全例とも、耳小骨が蝸牛管の回転始起部付近で前後方向にずれて存在していたが、発達段階が進むにつれて徐々に近づき、CS22以降の全例で、耳小骨が前庭付近で互いに重なり合って存在していた.CS23では、全例でアブミ骨が球形嚢部分に接していた.耳管と外耳道:CS19では耳管に対して低い位置に存在する外耳道が,発達段階が進むにつれて徐々に耳管に接近していた.

結論:本研究で,CS18からCS23までの聴覚器の立体像を作成し,各CSのそれぞれの発生過程と相互関係が明らかになった.今回,正常個体の発生過程が明らかになったことにより,先天的な聴覚器の異常の早期発見につながることが期待される

21. Ozeki-Sato M, Yamada S, Uwabe C, Ishizu K, Takakuwa T, Correlation of external ear auricle formation with staging of human embryos, Congenit Anom (Kyoto) 56, 86-90, 2016, DOI: 10.1111/cga.12140,  (概要) (外耳形態の部分)

26. Ozeki-Satoh M, Ishikawa A, Yamada S, Uwabe C, Takakuwa T. Morphogenesis of the Middle Ear Ossicles and Spatial Relationships with the External and Inner Ears during the Embryonic Period, Anat Rec (Hoboken) 299:1325–1337, 2016, DOI 10.1002/ar.23457, (概要) (中耳骨の形成と内耳・外耳・耳管との空間的関連性)

2014年度;修士論文の概要 (上野)

The digestive tract and derived primordium differentiate by following a precise timeline in early human embryos
ヒト体節期における消化管とその由来原基の分化時系列の解析 

上野沙季

[背景] ヒトは受精後38週で出生し、前半の8週間は胚子期と呼ばれる。胚子期は外表の形態学的特徴と内部観察に基づき23段階に分類され、これをCarnegie Stage (CS)という。CS9-13の段階は、形成された体節の数で定義されている。このうちCS12-13は、卵黄嚢の閉鎖が進み消化管が形成され、肺・肝臓・膵臓・胆嚢など消化管由来の器官原基が発生・分化する時期である。この時期のヒト胚子については組織観察に基づく様々な症例報告がされているが、複数の個体間での分化状況に関する比較検討は行われていない。本研究では、CS12-13における消化管及びその由来原基の立体構造を明らかにするとともに、CS12-13の期間を細分化し、同一CSに相当する個体間で消化管と由来原基の発生・分化の時系列を比較検討した。

[対象と方法] CS11-13に相当する計42体のヒト胚子連続組織切片を再構築して立体像を作成し、消化管内腔を描出してその形態を観察した。咽頭・肺・胃・肝臓・膵臓領域は組織観察を追加して行った。各個体の体節の数を計測し、体節番号を用いて各器官原基の頭尾方向の位置を検討した。CS12は体節数、CS13は眼の原基の発生を4段階 (gradeⅠ-Ⅳ)に細分化したものを時間的指標とし、消化管と由来原基の分化状況を解析した。外表に異常のみられる6個体についても同様に再構築を行い、正常個体で検討した分化時系列と比較し、消化管の異常の有無について検討した。

[結果] ①消化管と器官原基の形態変化: 消化管では、CS12の体節数24で網嚢の発生、CS13のgradeⅠで8つの咽頭嚢の発生、gradeⅡで胃が紡錘型に分化、中腸ループ・十二指腸ループの形成が観察された。由来原基では、CS12の体節数26で肺原基の発生、体節数27で頭側肝芽の形成、CS13のgradeⅠで肺原基の分岐、背側膵芽原基の発生、gradeⅡで胆嚢原基の発生、gradeⅢで気管の分化、gradeⅣで気管の最長2体節分までの伸長が観察された。②器官原基の位置: 肺は第2体節の高さから尾側へ下降し、CS12の体節数26以降は第4体節付近にとどまっていた。CS13のgradeⅢでの気管分化後も、気管と食道の分岐点は第4体節の高さに位置しており、個体差はほぼなかった。CS12では胃・肝臓が4体節ほど下降していたが、CS13では1体節分の下降にとどまり、背側膵芽・胆嚢も肝臓に近接して下降していた。③異常個体の解析: 異常個体6例中4例は消化管に異常が観察されず、その特徴は作成した分化時系列と一致した。1例は肺原基と中腸領域、もう1例は肝臓原基に分化時系列にあてはまらない形態異常が検出された。

[考察] 胚子の体節数及び細分化した発生段階と、消化管と由来原基の発生・分化時期とは関連性がみられた。CS12-13の消化管の発生と分化は従来考えられていたよりも精確に進行しており、個体差が少ないと考えられる。今回正常個体の観察から得られた分化時系列を参照して、外表異常の個体において消化管の発達異常を検出できた。この時系列解析は、消化管に関する異常の早期発見への有用性が見込まれる。

22. Ueno S, Yamada S, Uwabe C, Männer J, Shiraki N, Takakuwa T, The digestive tract and derived primordia differentiate by following a precise timeline in human embryos between Carnegie stages 11 and 13, Anat Rec (Hoboken) 2016,  299, 439-449, DOI: 10.1002/ar.23314s,  (概要)

細胞検査士合格 …

腺癌研究室のOBの白石くんが細胞検査士に合格致しました。おめでとうございます。

ますますのご活躍を期待します。