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金橋くんの修士学位審査が終了

修士お祝い

金橋くんの修士学位審査が無事おわり、 昼食partyでお祝いしました。お疲れ様でした。(14.02.07)

論文題目;ヒト胚子期における肝臓形態形成異常の解析

A series of liver malformations in externally normal human embryos

英語論文として受諾されました。

18. Kanahashi T, Yamada S, Tanaka M, Hirose A, Uwabe C, Kose K, Yoneyama A, Takeda T, Takakuwa T, A novel strategy to reveal the latent abnormalities in human embryonic stages from a large embryo collection, Anatomical Record, 299,8-24,2016  10.1002/ar.23281(概要), *299(1),2016の表紙に採用されました。DOI: 10.1002/ar.23206 (cover page)

2013年度;修士論文の概要 (金橋 徹)

ヒト胚子期における肝臓形態形成異常の解析
A series of liver malformations in externally normal human embryos

pcCT

BACKGROUND

肝臓は胚子期に腹腔内最大の器官へ発達するとともに、造血や代謝等の胚子・胎児の成長にとって重要な役割を担う。ヒト胚子期における正常な肝臓の形態形成については我々の研究室が報告したが、形態形成異常についての報告はなされていない。肝臓は発生中に造血や胎児蛋白産生等の重要な機能を果たすことから、その形成不全は胚子・胎児の発育に影響を与える可能性が高く、子宮内胎児死亡に至る可能性がある。また、多くの外表奇形が流産の原因となることが報告されている一方で、外表奇形を伴わなわず流産に至る原因については明らかになっていない。今回、外表奇形を伴わないヒト胚子の中から、肝臓形成不全の可能性のある個体を抽出し、肝臓、並びに周辺器官の形態形成の特徴について明らかにする為に、詳細な解析を行なった。

METHODS

京都大学大学院医学研究科附属先天異常標本解析センターに保存されている外表奇形を伴わないヒト胚子から、MR顕微鏡で撮像された1156例 (Carnegie stage (CS)14~23)を対象とした。これらは、肝臓形態形成に異常の可能性があるものを抽出するため以下のスクリーニング法を用いて解析を行なった。1)肝臓体積を推定できる式を作成し、各胚子の肝臓体積推定値を算出。2)肝臓体積推定値が各CS平均±2SDを外れる個体を抽出した後、肝臓、並びに周辺器官についてMR画像や三次元再構築像により、形態観察を行ない、抽出した個体から肝臓形態形成異常の可能性が高いものを選抜。選抜個体については、MR顕微鏡よりも高解像度の位相コントラストX線CT(PCT)により再撮像を行ない、胚子内部の詳細な解析を加えた。

RESULTS

肝臓体積推定値によるスクリーニングから、体積推定値が各CS平均+2SD以上の個体が41例(CS14~23)、各CS平均-2SD以下が12例(CS19~21)得られた。計53例について形態観察を行ない、平均+2SD以上の個体41例からExtra-large群として8例(CS17~19)、平均-2SD以下12例からExtra-small群として7例(CS20~21)を選抜し、PCTで再撮像し、胚子内部の解析を行なった。肝臓の形態形成異常はExtra-small群7例全てで観察され、Extra-large群では8例中2例で観察された。Extra-small群7例は以下のように分類された。①肝臓無形成; 2例、②肝臓低形成; 4例、③右葉欠損; 1例。また、7例中5例で肝臓の他、周辺器官に形態形成異常の合併がみられた。Extra-large群では、2例中1例は肝臓のみに異常がみられ、臍帯静脈の拡張が観察された。残り1例は、肝臓並びに周辺器官に形態異常の合併がみられた。肝臓形態形成を認める胚子はCS18からCS21に限定しており、約1.7%(9/532)の割合で出現した。

CONCLUSIONS:

本研究では、外表奇形がない胚子に肝臓の形態形成異常をもつ集団が約1.7%存在する事を新たに示した。同集団は、肝機能不全の結果、子宮内胎児死亡に至る可能性が高く、早期流産の原因の一つになると考えられる。

英語論文

18. Kanahashi T, Yamada S, Tanaka M, Hirose A, Uwabe C, Kose K, Yoneyama A, Takeda T, Takakuwa T, A novel strategy to reveal the latent abnormalities in human embryonic stages from a large embryo collection, Anatomical Record, 299,8-24,2016  10.1002/ar.23281(概要), *299(1),2016の表紙に採用されました。DOI: 10.1002/ar.23206 (cover page)

第28回日整会基礎で藤岡さんの研究成果を発表

第28回日本整形外科学会基礎学術集会(10/17−18,千葉市)で共同研究者の青山朋樹先生が発表しました。

「関節軟骨の再表層は3層の構造で構成される」青山朋樹、藤岡瑠音、高桑徹也

“人体の構造と機能” が刊行

標準臨床検査学シリーズ(医学書院)
基礎医学ー人体の構造と機能ーが刊行されました。
第17章にヒトに発生について簡単な総説を執筆させていただきました。

光造形法によるヒト脳室モデル第1号が完成

B9Creatorを用いてCS13のヒト胚子脳室の模型を作製しました。液状の樹脂に光を照射し少しずつ硬化させていく手法(光造形法)で、大変きれいです。ペットボトル等と同じ材料でやわらかみがあります。今後が楽しみです。

 

Biological Synchrotron Radiologyで発表

位相CTのヒト発生学への応用について、山田先生、米山先生らが国際学会で発表しました。金橋くんも胚子撮像に参加しており、学会発表の共同演者になりました。

Yamada S, Yoneyama A, Kahanashi T, Hyodo K, Takeda T.「The first application of phase-contrast X-ray computed tomography to human embryology」Biological Synchrotron Radiology (BSR) 2013年9月8-11日、於:ハンブルグ

京都大学OpenCampus2013で研究室紹介

8月7日、京都大学オープンキャンパス2013が行われました。

研究室で現在行なっている3次元データを用いたヒト胚子の研究についての紹介を行いました。検査技術科学コースに興味のある高校生70名ほどが、ご来場いたしました。

 

第53回日本先天異常学会学術集会で発表

2013年7月21日(日)-23日(火)(大阪)

ポスター

ヒト胚子期における消化管の初期形成と分化 上野沙季

ヒト胚子外表写真を用いたカーネギーステージ(CS)分類判定支援装置の作成 尾関舞美

ヒト胚子期における肝臓の形態形成異常の解析 金橋徹

ポスター、口演

ヒト胚子を用いた側脳室脈絡叢の解析 白石直樹(セレクテッドポスター)