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より高解像度の立体情報取得を-PF共同利用実験-

私たちはMR顕微鏡を用いて得られた3次元情報を解析し成果を報告して来ました。そのMR顕微鏡の解像度は最高で35μm/pixel程度で、MRIの技術による撮像の最先端といえます。しかしながら、胚子期の初期や、個々の胚子の器官レベルの異常の有無等の検討には、さらに高解像度な撮影法が必要になります。 そこで、われわれは、共同研究者の山田博士、米山博士らが開発をすすめ成果をあげている干渉計を利用した位相コントラストX線撮像法を用いて、ヒト胚子の撮像をより積極的に進めていくことにしました。同法は、従来の吸収コントラスト撮像法に比べて感度が約1,000倍高く、軽元素からなる試料を高密度かつ高空間分解能で三次元観察できるため、生物や医学試料、及び各種有機 材料の定量解析などへの応用が期待でき、実際、9μm/pixelという、非破壊的三次元イメージング法の分野では 世界最高レベルの解像度を達成しているそうです。本手法を適応することで1)詳細な形態診断が可能になることにより、これまで解明されていなかった胚子期の先天異常の再評価を行うことができる、2)現在知られる先天異常発生の病理を知る手がかりとなる他、新たな疾患の発見の可能性がある。 3)これまで、ほとんどが原因不明とされてきた妊娠初期流産についての原因の一端が示せる可能性がある、等多くの成果が期待出来ます。

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“構成論的発達科学”第2回領域全体会議で発表

構成論的発達科学 第2回領域全体会議̶— 胎児からの発達原理の解明に基づく発達障害のシステム的理解に出席しました (東京大学2013.6.18-19)

 発表演題

(京都コレクションと三次元イメージング;山田重人先生)

ヒト胚子期における肝臓の形態形成異常の解析;金橋 徹, 田中 美玲, 廣瀬 あゆみ, 山田 重人, 上部 千賀子, 高桑 徹 也

ヒト胚子を用いた側脳室脈絡叢の解析; 高桑 徹也, 白石 直樹, 上部千賀子, 山田 重人

 

 

第102回日本病理学会で発表

第102回日本病理学会(2013.6.6-6.8、札幌)で発表しました。

病理学会は2年ぶりの参加でしたので、演題をたくさん持って行きました。

口演

ヒト胚子期における隣接器官による肝臓の形態形成への影響

高桑徹也、山田重人、廣瀬あゆみ他

示説

ヒト胚子の外耳の動きは”分化・成長”で説明できる

高桑徹也、山田重人、神楽所みほ他

ヒト胚子期における脳室の形態計測学的解析

高桑徹也、山田重人、中島崇、白石直樹他

ヒト胚子における消化管の初期形成と分化

高桑徹也、上野沙季、山田重人他

ヒト胚子期における肝臓の形態形成異常の解析

金橋徹、高桑徹也、山田重人他

(口演1,示説4)
大学院生(金橋くん、上野さん)の発表も無事終了

発表にも慣れてきたようです。

ヒト胚子模型の作成•体系化

私たちの研究室では、ヒト胚子由来の立体情報を含んだデジタルデータを主に扱っています。それらをもとに形態学的、形態計測学的解析を行い、その成果を学術論文として公表しています。しかしながら、学術論文は、世間一般の方の目に触れることはまずありません。私たちは、よりわかりやすく世間一般の方々や学生、子どもたちにヒト胚子の発生について伝える方法として、近年世界的に注目されている3次元プリンターを用いた模型の作製を考えています。昨年いくつかのヒトの脳室の模型を作製し発表したところ、胚子の脳室模型は、先天異常学会でポスター賞をいただくなど高い評価を得ました。

今後、研究室で解析した立体情報を世に広め、人類共有の財産とするために、いろいろなヒト胚子の模型を3次元プリンターを用いて作製し、体系化していくことにしました。また3次元プリンター用の設計図をデータベース化し、知的財産として順次公開する計画をたてています。

ご期待ください!

 

 

 

 

 

軟骨最表層の構造; (藤岡修論) Osteoarthritis Cartilageに掲載

藤岡さんの修士論文「軟骨最表層の構造について」がOsteoarthritis Cartilageに掲載されました。

  • 関節腔に直接面する最表面ゾーン (MSZ) の構造と分子成分をブタ 膝で組織学的に検討
  • MSZ が 3 つの層に細分
  • MSZ の最内側 (3 番目) の層;Collagen subtype I, II, III が存在
  • tangential layer;3 番目の層の下にあり、type II collagenと少量type III collagenが存在

7. Fujioka R, Aoyama T, Takakuwa T, The layered structure of the articular surface, Osteoarthritis Cartilage, 2013, 21, 1092-1098 doi: 10.1016/j.joca.2013.04.021

■ 内容を詳しく>>

Summary

Objective

Articular cartilage is roughly separated into three areas: the tangential, middle, and deep zones. The structure and molecular components of an additional important zone, the most superficial zone (MSZ), which directly faces the joint cavity, have yet to be conclusively elucidated. The purpose of the present study was to use multiple methods to study the MSZ in order to determine its structure.

Materials and methods

Knees from 16 pigs (age, 6 months) were used. Full-thickness cartilage specimens were harvested from the femoral groove. The MSZ was observed using light microscopy, transmission electron microscopy (TEM), and scanning electron microscopy (SEM) in combination with histochemical and immunohistochemical methods.

Results

The combined findings from the three different observational methods indicate that the MSZ is subdivided into three layers. Among these three layers, collagen subtypes I, II, and III are present in the innermost (third) layer of the MSZ. Beneath the third layer, type II collagen is the predominant type, with small amounts of type III collagen. This layer beneath the third layer is considered to be the tangential layer.

Conclusions

Our observations indicate that the MSZ is subdivided into three layers. Further analysis of the molecular components in each layer may improve our understanding of the structure of the articular surface.

白石君が日本解剖学会symposiumで招待講演

日本解剖学会のシンポジウム「器官形成・発達障害研究におけるMRI定量解析の最先端」で白石くんが「ヒト胚子期の脳形成」の講演(招待)を行いました。

*シンポジストに指名していただきありがとうございました。

ポスター
◆  三次元プリンタを用いたヒト脳神経管模型の作製
白石直樹、山田重人、高桑徹也他
◆ ヒト胚子期における肝臓の形態形成異常の解析
金橋徹、田中美玲、廣瀬あゆみ、山田重人、高桑徹也、他
第118回日本解剖学会総会・全国学術集会
 2013.3/28-3/30 香川県高松市

新学術領域研究”構成論的発達科学”に参加協力

新学術領域研究(H24-28);構成論的発達科学ー胎児からの発達原理の解明に基づく発達障害のシステム的理解に協力することになりました。研究室の大学院生は臨床検査技師として産科領域のエコーを学びながら研究に参画します。学位修得とともに、産科領域のエコーのエキスパートとして超音波検査士を卒後3年で取得することを目標にします。

超音波検査士;  日本超音波医学会認定の資格です。超音波検査の優れた技能を有する臨床検査技師、看護師等を専門の検査士として認定するものです。「日本超音波医学会」または「日本超音波検査学会」3年間の会員歴があり、所定の試験に合格することが必要です。超音波の検査は全身の様々な部位に応用されています。超音波検査士の認定は、現在7つの領域(体表臓器、循環器、消化器、泌尿器、産婦人科、健診、血管領域)に分かれて行われています。

 

 

 

 

3D解析を応用したヒト発生解剖;年間1500 downloads達成

2012年3月に出版しましたthe Human Embryo内のreview, ”Developmental Anatomy of the Human Embryo – 3D-Imaging and Analytical Techniques” ー3次元イメージ解析技術を応用したヒト胚子発生解剖ーのダウンロード回数が1年間で1500を超えました。アメリカ、インド、中国、イタリア等多くの国々からアクセスが有り、月100以上のダウンロードがありました。私たちの研究活動が世界に発信できることは喜ばしいことです。