胎児循環には3つの短絡路が存在する。そのうちの1つに、胎盤から酸素飽和した血液を臍静脈から下大静脈、心臓の右心房へと流入させる静脈管がある。静脈管は出生後すぐに収縮・消失し、この短絡路は排除される[1]。静脈管の内腔はトランペットのような形態であり、静脈管の入口部である臍帯静脈との吻合部は静脈管で最も狭い直径を持つ。この狭窄により、心臓へ向かう血流の加速が確立される[2], [3]。
静脈管は胎児の発生・発達に重要な血管であり、胎児の健康状態の評価においても静脈管血流の超音波診断が取り入れられている。そのため、正常個体のより早い段階の胚子期から、静脈管を含む肝臓内静脈の正常な形態や構造を確立することは、胎児診断において重要である。