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上肢帯・肩甲骨の形成

上肢帯の形成

ヒト上肢帯は、自由上肢と体幹とをつなぐ骨格単位であり、その骨格は肩甲骨と鎖骨で構成される。肩甲骨と鎖骨には、肩峰と鎖骨肩峰端との間に小さな平面関節である肩鎖関節が存在する。また、肩甲骨と上腕骨には肩甲骨の関節窩と上腕骨頭とが作る多軸性の球関節である肩甲上腕関節(肩関節)が存在する。そして、体幹と上肢を結ぶ唯一の関節として、胸骨の鎖骨切痕と鎖骨の肋骨端から胸鎖関節が形成される。(図1-a)。[1]

上肢帯の位置については、肩甲骨は上角が第1~2胸椎、下角が第7胸椎の高さに位置し、内側縁と胸椎棘突起の距離は4横指(男性:約7㎝、女性:約5~6㎝)である(図1-b)。また、肩甲骨は前額面に対して前方へ約30°内旋している。鎖骨は正中側端が胸骨と胸鎖関節で接し、外側端が肩峰と肩鎖関節で接している。また、水平面からみた鎖骨は、内側が前方に凸、外側が凹のS字状をしており、前額面に対して後方へ約30°傾いている。高さは水平または1横指である(図1-c)。[2]

 

 

肩甲骨の形成

肩甲骨は始め軟骨原基ができ、それが骨組織に置き換えられてゆく軟骨内骨化により形成される(Ref1)。成人では、主な構造として肩峰・肩甲棘・烏口突起の3つの突起を持つ。外側角にある関節窩が上腕骨と関節し肩関節をなし、肩峰が鎖骨と関節し肩鎖関節をなしている(Ref2)

始め軟骨原基ができ、それが骨組織に置き換えられていく軟骨内骨化により形成されることが知られている。

・CS17で扁平部、CS18で烏口突起、CS19で肩甲棘、CS20で肩峰とそれぞれの出現時期は異なる。

・CS20で扁平部・烏口突起・肩峰が軟骨により形成

発生第12~14週で形態的に成人に近い形状になり、その後出生までほぼ変わらないと言われている。