「病理学」は、よき医療人をめざす学生にとって必要不可欠なものです。その理由として次のようなことが挙げられます。
1)チーム医療を担うcomedical staffとして、チーム医療に参加するスタッフは、それぞれの専門分野を生かして患者さんの治療に当たる訳ですが、スタッフを束ねる共通のものとして、病理学を含め基礎医学は「共通言語」として重要です。
2) 本専攻の卒業生の進路としては、病院で、専門職として勤務する以外にも、一般企業、公務員、マスコミ、大学院進学し研究、開発を目指す等、幅広い分野での活躍が期待されます。そのための基礎体力として、病気の本質を学ぶ病理学は重要です。
医師を養成する医学科では、臨床各科で病気を学ぶ機会がありますが、本専攻のような医療系4年生大学ではコマ数が限られます。そのため、より質の高い、充実した内容を提供することが、病理学研究室に課された責務です。
■ 病理学概論 (第IIIゼメスター、専門基礎科目)[高桑]
看護学、検査技術科学、理学療法学、作業療法学、総合医療科学などの医療系分野の専門家をめざす学生を対象に、病気の理屈一病気とは何か、その原因、転帰一を教えます。病気についての知識、理解を深め、さらに興味を持てるようにしたいと考えています。
■ 器官病理学 (第IVゼメスター、専門科目)[高桑]
病理学は疾病の病因・病態を解明する学問体系です。病理学各論では、まず諸臓器においてその機能的、解剖学的特徴を整理したうえで、諸臓器に特徴的な病気について、その病態の理解を深めます。また、現代病理学は、病気の最終診断という重要な役割を担っている。諸臓器においてその特徴をふまえ、診断の根拠となる形態学的変化を学びます。適宜、顕微鏡実習、インターネットを用いた演習を行います。
■ 細胞/組織検査学・同実習 (第Vゼメスター、専門科目)[高桑、金橋]
病院での病理検査や生命科学研究を進める際に必要な細胞組織学的解析法の実際を小動物を用いて学びます。つまり、臓器の摘出、切り出し、固定、薄切、染色法 ( HE.染色、特殊染色、免疫染色、ギムザ染色、パパニコロウ染色など)の実際を行います。また、小動物の扱い方にも習熟します。作製した標本を用い、諸臓器の組織形態を光学顕微鏡を用い観察し、学生発表を行い、知識を深めます。
■ 感染症学実習・医動物学実習 (第VIゼメスター、専門科目)[金橋]
感染症学実習では、無菌操作法、滅菌・消毒法、培養法、染色法、顕微鏡の基本的な取り扱い方法などの微生物検査・研究における基本操作について学びます。学生は1人1つの臨床分離株を使用した疑似検体を担当し、グラム染色から菌の分離・培養・同定検査、薬剤感受性試験まで一通り経験し、感染症検査の理解を深めます。また、ウイルス学的検査法についても学習します。
医動物学実習は講義で学ぶ寄生虫・衛生動物の分類とそれらが引き起こす疾患の理解を進めるため、寄生虫・衛生動物の観察、分類を中心に実習を行い、検査診断の技術および検査結果の解析と評価について習得することを目標とします。
■ 生理学実習 (第IVゼメスター、専門基礎選択科目)[金橋]
心電図実習を担当します。第Ⅲゼメスターまでに学んだ心臓の解剖、電気生理を思い出しながら、心電計を使用して、十二誘導心電図の検査手技やデータ取得方法、結果の解釈について学びます。まずは正常な心電図波形を正しく取得し、正確に判断できることを主眼としますが、いくつかの代表的な疾患の鑑別もできるようになることを目指します。
C. 全学共通教育
スポーツ実習1AB (テニス)を2014年4月から受け持ちます[高桑]。テニスというスポーツを通して、身体能力の向上、運動する生活習慣を身につける。チームプレー、リーダーシップ、マナー、救急対応,、コミュニケーション技術、パートナーへの思いやり、相手への敬意、公平なルールの運用と遵守、など、テニスを通じて人間として大切なことを身につけるのもこの実習の目的です。
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■ 組織学 (第IIIゼメスター後半、専門基礎科目、終了しました)
病理学では、組織、細胞構築の形態変化に着目し、歴史的にあいろいろな知見を得てきました。正常の生体構造を知っていることは、その前提条件です。組織学は、生体の基本構造についてミクロレベルでの知識を深めること、生体における生理学的、生化学的、運動学的な活動が起きる場所を知ることをめざします。